卒業式まで死にません
二週間ぶりの更新となってしまいました。先週は姉の引越しの手伝いもあり、時間が取れなかったので… 申し訳ございません。
さて、このタイトル見てなんだ?と思った人も多いかと思います。これは、ある人の日記をまとめた書籍のタイトルです。香川県の宮脇書店でも売っておらず、長らく探していたのですが、大学図書館で見つけ、この一週間で読んでみました。
この本は、南条あやさんの日記です。この本の裏表紙には、こう書かれています。
ここにいるのは、特別な女の子ではありません。もしかしたら自分だったかもしれない「もう一人のあなた」ですー(以下略)
この文章から、この人が変わった人なんだなというのは推測できると思います。実はこの南条あやさん、重度のリストカット症候群であり、クスリマニアでもあるという、精神的な疾患を患った女性です。中学時代のいじめをきっかけにリストカット癖がついてしまい、また何度も自殺を図り、1999年3月30日、18歳という若さで亡くなってしまった方です。
いじめに焦点を当てた文章ではなく、精神面の苦しみに焦点を当てたような内容です。これ以上はネタバレになりますので、伏せますが…
現代の若い世代の死因第一位が自殺となっています。自殺を図ろうとした人や、彼女のようにリストカットといった自傷行為をする人はほかにもたくさんいるでしょう。私たちにはなかなか理解できないような苦しみを持っています。その一例である彼女の日記から、私たちが受け止めなければならないことは必ず含まれています。もしあなたのそばに、リストカットしている人がいたら、その人に「リストカットするとか、気持ち悪いな」などと簡単に突き放していいでしょうか。その答えは、ここにあると私は思います。
18にしてなくなった彼女の最後のメッセージ、あなたはどう受け止めますか?
推薦図書のような内容になってしまいましたが、私が最近読んだ中で一番心に残っている作品です。皆さんにも読んでみてほしいのですが、軽い気持ちで読んでほしくない、この人の文章に真摯に向き合いながら読んでほしいなと、思いました。